そして、父になる。

僕は少しだけ小指が内側に曲がっている。

父も祖父も、小指が曲がっている。

 

 

どうやらこれは遺伝のようだ。

 

 

それは今から14年前。

長男くんが生まれた日に遡る。

 

 

古くからある大きな病院の産婦人科。

そこで長男くんは生まれた。

 

 

破水から24時間以上。

初めての出産は、そんなものらしい。

 

 

女性は十月十日、

お腹の中の我が子と過ごす。

 

 

一方、男性にはその経験がない。 

変な話だけれど、

生まれてくれるまで

父親になるという実感

沸かないところってある。

 

 

明け方、

我が子は生まれた。

 

 

妻も僕も疲れ果てていた。

こうして、僕は父になった。

 

 

翌日、

僕の両親が孫の顔を見に病室を訪れた。

 

 

父から「おじいちゃん」に変わったその顔で、

彼が最初に視線が行ったのは小指だった。

 

 

嬉々とした表情で

「おおっ…、やっぱり小指が曲がっているなぁ」

とうれしそうにつぶやいた。

 

 

それは、妻にとってはあまりうれしいことではなかったようだが、僕は少しは親孝行できたかな…と思った。

 

 

脈々と受け継がれるDNA。

 

結婚をして、夫になった。

子どもが生まれて、父になった。

 

 

いつか、

孫が生まれて、

おじいちゃんになるんだろう。

 

 

脈々とつながっていく命のバトン。

数珠つなぎの1粒になるの悪くない。

 

 

愛する人に出会うための魔法のしつもん

どんな親孝行がしてみたいですか?

 

 

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